「また漏洩のニュース」「自分の情報も入っているかもしれない」。そう思っても、企業の発表は「調査中」のまま。お詫びメールが届くのを待つしかない――そんな不安を感じていませんか。
結論から言うと、待っている間にも、利用者が自分でできることはあります。漏れてしまった情報は取り戻せませんが、その情報を悪用されないようにすることはできるからです。
この記事では、今の漏洩がどれくらい増えているのかを国のデータで確認したうえで、今日からできる7つの防衛策と、お詫びメールが届いたときの動き方をまとめます。
個人情報保護委員会のまとめによると、2026年4月1日から10月16日までに企業などから報告された漏洩は、延べ約2億6,000万人分にのぼります。日本の人口の2倍を超える数です。
このうち不正アクセスによる報告は2,094件。月ごとに見ると、10月は16日までの半月だけで830件と、9月(303件)の2.7倍に増えています。
出典:個人情報保護委員会「参考資料2」(2026年10月28日)の速報値。「延べ人数」なので、同じ人が複数の事件に含まれている場合は重ねて数えています。2.6億人が別々に被害を受けたという意味ではありません。
ポイントは、「自分は関係ない」と言い切れる人がほとんどいないことです。どこかで登録したメールアドレスや電話番号は、すでにどこかで漏れている前提で考えたほうが安全です。
「漏洩した」と聞くと怖くなりますが、漏れた情報の種類によって、起きることと防ぎ方は決まっています。
つまり、企業の発表で「何が漏れたか」がわかれば、やるべきことも決まります。そして発表を待たなくても、どれが漏れても困らない状態を先に作っておくことができます。
上から順に、効果が大きく手間が少ないものを並べました。全部やらなくても、1と2だけで乗っ取りのリスクは大きく下がります。
今使っているパスワードが、過去の流出データに含まれていないかを調べます。含まれていれば、攻撃者が最初に試すリストに載っていると考えてください。流出チェッカーで無料で確認できます。
全部を一度に変えなくて大丈夫です。メール、銀行・証券、通販、SNSの順に、それぞれ別のパスワードにします。特にメールのパスワードは最優先です。メールを乗っ取られると、他のサービスのパスワード再設定まで奪われてしまいます。
覚えきれない場合は、スマホやブラウザのパスワード管理機能か、パスワード管理ソフトに任せましょう。
パスワードが漏れても、スマホに届く確認コードや指紋・顔認証がなければログインできなくなります。メール、Apple・Googleのアカウント、銀行、主要なSNSから設定してください。
アプリやWeb明細で、身に覚えのない請求がないかを見ます。少額の請求で試してから大きく使う手口もあるので、数百円でも要注意です。不安なときや、カード番号が漏れたと発表されたときは、カード会社に連絡して再発行してもらうのが確実です。
漏洩のあとは、企業名をかたった偽のお詫びメールやSMSが出回りやすくなります。本名や注文内容が書かれていても、本物とは限りません。メール内のリンクは開かず、公式アプリやブックマークから開いた公式サイトで確認してください。
警察や企業を名乗って「あなたの情報が悪用されている」と電話が来ても、その場でお金や口座の話には応じません。いったん切って、公式サイトに載っている番号にかけ直します。警察を名乗る電話で不安なときは「#9110(警察相談専用電話)」、困ったときは「188(消費者ホットライン)」に相談できます。
使っていないサービスにも、あなたの情報は残り続けます。登録しっぱなしの通販サイトや会員サービスは退会し、使っていないカードは解約すると、次の漏洩で巻き込まれる場所そのものを減らせます。
個人情報保護法では、漏洩のおそれがある場合、企業は個人情報保護委員会への報告と本人への通知が原則として義務づけられています。ただ、調査には時間がかかるため、通知が届くのは数週間後になることもあります。通知を待たずに、上の防衛策を先に済ませておくのがおすすめです。
漏洩そのものは、利用者にはどうにもできません。でも、漏れた情報が被害に変わるかどうかは、利用者の準備でかなり変わります。
パスワードを使い回していない、二段階認証が入っている、怪しい連絡のリンクは開かない。この3つがそろっていれば、次にどこかで漏洩が起きても、慌てる場面はぐっと減ります。今日、まずは1つ目から始めてみてください。
ランキングは、運営者が各社の公式情報をもとに「漏洩対策としての効果」「日本語での使いやすさ」「始めやすさ」の観点で選んだものです。料金や機能は変わることがあるため、申し込み前に公式サイトでご確認ください。